南伊豆の加納に白炭(伊豆炭)の炭窯をつくる(1)

南伊豆の下賀茂に白炭(伊豆炭)の炭焼き窯をつくる炭窯の枠つくり(伊豆炭窯)

 

私は南伊豆に移住してきたとき炭焼きをして生活していました。

手石地区の竹林に炭窯をつくり竹炭を製炭し夏弓ヶ浜にくる
海水浴客にお土産品として売っていました。

冬になると炭焼きしたくなります。
ちょっと炭の話をします。

炭には製炭方法の違いによって黒炭と白炭の2種類があります。

黒炭とは、製炭の最後の工程で炭窯を完全に密封して
消火、冷却して作られる炭です。

白炭とは、製炭の最後の工程で真っ赤に焼けた炭材を炭窯からかきだし、
さらに温度を上げ不純物や汚れを吹き飛ばして、それに消し粉(けしこ)を
かけて急激に冷却してつくる炭です。

炭窯の天井つくり(伊豆炭窯)

黒炭、白炭、何が違うのか?

硬度と火持ちが決定的に違います。

黒炭の代表はお茶炭でが、一般的に使われる炭はほとんど
黒炭です。火が付きやすく、燃焼速度が速い。

白炭の代表は備長炭に代表され、たたくとキンキンと金属音がする
堅い炭で、火が付きにくく、燃焼速度が遅く、火持ちが長い。
ヤキトリ屋、ウナギ屋で使われるのが白炭です。

炭窯の天井つくり(伊豆炭窯)

炭窯の天井つくり(伊豆炭窯)

黒炭窯の最高温度は600度くらいですが、
白炭窯のそれは1000度を越えます。

だから、炭窯の構造も違います。
白炭窯は熱に強い石が多く使われます。
耐熱石でないと1000度の高温に耐えられません。

白窯の石は、軽石のような溶岩石が最適です。
河原にある石だと熱ではねてしまって使えません。

炭窯の天井たたき(伊豆炭窯)

炭窯の天井たたき(伊豆炭窯)

一般的に白炭の方が高価です。紀州の老舗の備長炭は、
1kg3000円以上します。

炭材の量にもよりますが、黒炭窯なら着火してから、いぶし、
炭化、ねらし、窯止め、冷却、窯出し、という一連の製造工程で
7日間くらいです。

白炭窯の場合は、ねらしから一気に窯だしして、けしこをかけて
急激に冷却して、窯が冷えないうちにすぐに次の炭材を窯内に
放り込みます。

だから、白窯は、一度運転を始めたら最低1週間
くらいは毎日24時間連続で休みなく作業しなければなりません。
1週間分の炭材を前準備しておくというのも結構大変なことです。

南伊豆町加納の伊豆炭窯(白炭窯)
南伊豆町加納の伊豆炭窯(白炭窯)

 

南伊豆の加納に白炭(伊豆炭)の炭窯をつくる(2)に続く。

 

 

カテゴリー: 南伊豆   タグ: , , , ,   作成者: Taku   この投稿のパーマリンク

Taku の紹介

南伊豆の弓ヶ浜前でバーベキューコテージを経営。地元漁師。ファミリー貸切釣り船ツアー、カブトムシ・クワガタ採集ツアー、青の洞窟サップツアーなど自然体験遊びをガイド。1kg地金目鯛を丸ごと一匹使ったジキンメ五品コース提供。趣味はサップ、アウトリガーカヌー、サーフィン。好きなモノは、純米酒、鍋、司馬遼太郎。