弓ヶ浜の沖では10月末からカワハギが釣れます。冬に備えたカワハギは肝がパンパンにふくらみ、刺身、寿司、鍋と、これからが旬となります。
この季節になると、私の漁船たけすみ丸でコテージの宿泊客をカワハギ釣りに連れていきます。南伊豆では漁師も釣り船もカワハギ釣りをしないので地磯からちょっと沖に出たところで30cm近いサイズが釣れてきます。
手のひらサイズと同じくらいの数で30cm近いものが釣れ上がります。引きも強く、カワハギ特有のカンッカンッという左右に振る手応えをおもいっきり楽しめます。
仕掛けは胴突き30号オモリでフック式の3本ハリス、カワハギの口は堅いので一匹釣り上げると針ハリス交換しないと針かかりが悪くなるのでフック式が便利です。
竿は180cm以下の先調子で胴が強いカワハギ船竿にPE2号を巻いた両軸リール、私はライトなジギングタックルでやっています。
えさはスーパーで買ってきた活アサリのむき身を使い、殻は撒き餌とします。船はスパンカーを張った流し釣りですが、食いが立ち始めるとイカリを下ろすときもあります。
釣り方は3種類、たたき釣り、はわせ釣り、さそい釣り、その日の海況やアタリ具合を見ながら試していきます。
カワハギはその独特な体型からホバリングして上下移動が可能で、あの小さい口で吸い込むようにアサリえさを奪って行くので、船上でそのちょっとしたアタリを見逃さないで「合わせる」ことが必要です。
カワハギ釣りのおもしろさは、第一に「合わせのタイミング」、第二に針掛けした後の豪快な引き、第三にフォアグラのようなパンパンにふくらんだ肝と上品な白身、ということでしょうか。
私は刺身と寿司が好きです。とくに肝を豪快に乗せたカワハギ寿司は釣り人しか味わえない一品でしょう。
鍋にしても、カワハギのアラからしみ出てくる透明で上品なダシがいい感じです。
釣り時期は、10月下旬から始まり11月、12月がシーズン最盛期、1月2月になってくると水温がかなり下がるので数が減ります。
11月の南伊豆のカワハギ釣り、きっと楽しくておいしい思い出がいっぱいできる旅になると思います。