伊豆弓ヶ浜の磯釣りでは毎年11月ころからカワハギ釣りが楽しくなります。南伊豆では漁師も釣り人もカワハギ釣りしないので弓ヶ浜周辺で釣り上がるカワハギは30cm級のデカバンばかりです。10月下旬から肝がふくれ始めた旬のカワハギを船釣りします。
エサはスーパーで買ってきた活あさりの身をスプーンでとって、それを1回転ひねりを加えて針先を出さないように丁寧に針に刺します。この針へのエサ付けをどれだけ正確にやれるかがカワハギ釣果を左右します。
カワハギは、垂直にホバリングして泳げる魚で、あの小さい口で吸い込むようにエサだけを上手に盗んでいきます。「エサ取り名人」なので冬の釣り人を熱くしてくれる訳です。
仕掛けは、胴付き3本針、オモリ30号、水深10~30mの沖根を探ります。釣り方は、1)たたき釣り、2)誘い釣り、3)寝かせ釣り、の三手法を当日のコンディションに合わせて探りながら組み合わせしていきます。
わずかなアタリ(食いついた反応)もないまま、エサが3つとも全部ないようなときには、船下にカワハギが集まっているときです。
私の場合、天気が良い日は、釣ったカワハギをその場で開いて、藻塩ふって、2時間くらい船上干しします。弓ヶ浜の海水と潮風と太陽がカワハギのうまみ凝縮してくれます。
これを炭火であぶるとき、何とも言えぬ上品な香りに包まれます。カワハギ干物を炭火であぶったときには、ビーフジャーキーのように手でちぎりながら食するのが作法です、その方がうまいです。
また、船上で開くときに、尾びれ、胸びれ、背びれもきれいに切り取って歯ブラシで表面の汚れをよーく落として海水で洗って1時間天日干しするとカリカリになります。それを晩酌で熱燗の日本酒を注ぐとカワハギひれ酒が飲めます。これもトラフグのひれ酒と同じくらいうまい熱燗が愉しめます。私のような日本酒好きには最高のオマケとなります。
さらに、ご飯を炊き込むときにカワハギ干物を上に乗せてダシを入れてカワハギ飯の出来上がり。上品な香りと深い味わい、鯛飯にもぜんぜん負けていません。
そして定番は刺身でしょう、肝を醤油に溶かしたキモ醤油でカワハギの刺身を食するとき、しみじみと冬の南伊豆の幸を感謝とともに味わうことができるのです。上の写真は釣りたての新鮮なカワハギだからこそできる豪快なキモ乗せカワハギ寿司です。スーパーで売っているカワハギではちょっと無理です。
南伊豆の冬は西高東低の天気図によって西風が強くなります。船を出して弓ヶ浜の周辺の沖根でカワハギ釣りできる日も少ないです。お天気の日、凪のいいときにカワハギと戯れるのが私の一番の冬の楽しみです。
私のコテージのお客さんには希望があれば出船していますし、調理道具もレンタルしています。カワハギ釣り(ファミリー貸切船釣りプラン)詳細はこちらをご覧下さい。
冬の弓ヶ浜の遊び方の一つをご紹介いたしました。