サーファーたちの「鉄の掟」とは・・・
「一つの波には、レギュラーとグーフィーそれぞれ一人しか乗れない」という地球上のサーファーたちの間で万国共通の暗黙のルールがあるのです。
ということは、私がどんなに精一杯パドリングして10回に1回くらいの確率で波をキャッチできて板を滑り出せても、波のピーク(頂点)に近い方向に優先サーファーが同じ波に乗っていたら自分はその波から脱落しなければならないということです。
上の写真で説明すれば、向かって左の人はこの直後に波から降りて、お隣のピークに近いサーファーに道を譲っているところです。
これが「鉄の掟」、先乗り禁止ということです。
こ の「鉄の掟」はつらかった、ほんとつらかった。
1時間に1回やって来るか否かの自分の波キャッチでも、隣に誰かいれば波から降りなきゃいけない・・・とい うことは1日数時間海に浮かんでいても1回もテイクオフの練習さえできない・・・生き地獄でした。
もうそれ以降、疑心暗鬼の日々が続き、目の前の海にサーフスポットがあるにもかかわらず、サーフィンからは3ヶ月ほど遠ざかっていました。
サーフィンが嫌になってきました。もう、やめようかなあ~。
そしてとうとう愚かな一つの決意をしてしまったのです。これ以上サーフィンが上達しないならもうやめよう、でもその前に一度だけその「鉄の掟」を破って練習してみようかな、それがダメならあきらめるか。
今から振り返ると、この背筋が氷るほど危険なルール違反を、あの時は藁をもつかむ気持ちで強行しようと決めたのでした。
愚か、危険、暴挙、サーフィンする資格なし・・・
そして運命の日がやって来たのです、愚か者に天誅が下る日がやって来たのです。
身長168cm、体重81kg、50歳で始めたロングボードの日記(その7)に続く・・・