南伊豆の加納に白炭(伊豆炭)の炭窯をつくる(4)最終回

竹を詰める(伊豆炭窯)

竹を詰める(伊豆炭窯)

竹を詰める(伊豆炭窯)

竹を詰める(伊豆炭窯)

天井つくり(伊豆炭窯)

天井つくり(伊豆炭窯)

天井つくり(伊豆炭窯)

天井つくり(伊豆炭窯)

天井をたたいてしめる(伊豆炭窯)

天井をたたいてしめる(伊豆炭窯)

白炭、日窯の伊豆炭窯の完成

白炭、日窯の伊豆炭窯の完成

 

南伊豆町加納に白炭の伊豆炭を焼く炭窯を作りました。山の斜面を掘り、窯底を作り、窯壁まで完成したら、胴焼きして乾燥させて天井つくりに入ります。この天井つくりが炭窯つくりのキモ中のキモです。

白炭窯の天井の温度はネラシのとき1000度以上になります。耐火石で作りたいところですが、石では重すぎて天井が落ちてしまいます。熱に強い土を見つけてそれをドームのように造らなければなりません。

第一に難しいのは、1000度に耐える土を見つけられるのか?ということです。一般人には見た目にはわからないので実験してみなければいけません。これはという土をなるべく細かくすりつぶして水でこねゴルフボールくらいのダンゴを作ります。それを2日乾燥させてから大きなたき火に放り込み、しばらく真っ赤にしたら、たき火から取り出し常温で冷却します。冷めたところでそのダンゴを胸の高さから乾いた土の上に落として割れたりヒビが入った土は使用不可です。炭窯の天井に使える土とは、なかなか出会えません、見つけたら間違いなくお宝です。

第二に難しいのは、天井の粘土の厚みは、厚すぎても薄すぎても崩れ落ちてしまいます。土窯は温度が高くなると膨張し低くなると縮小します。つまり、呼吸してるわけです。だから、天井の厚みが厚すぎると膨張せずにヒビが入ります。天井が薄すぎると熱圧力に耐えられず崩れます。ちょうどいい厚みが必要なのです。これぞ炭焼き職人の経験とカンが決定的に不可欠になります。炭窯の天井だけはプロから学んでいくしかないのです。

第三に難しいのは、天井の土のたたき方です。程よい力で均等にたたき続けることが重要です。今回は日窯サイズの炭窯でしたが、天井たたきだけで二人で7日間たたき続けました。たたけばたたくほど土がしまり、天井が高温になってもヒビが入らないのです。最後の最後の重要な作業です。けっして手を抜けません。

天井が出来上がったら炭窯の完成です。山の神様にお神酒をささげ、安全で事故なく、良炭がたくさん製炭できるように祈願します。伊豆炭(白炭)の炭焼きを始めると少なくとも1週間は炭焼き作業にかかりきりになります。

忙しい都会暮らしではちょっと無理かもしれませんが、山の中で汗をかき、炎とあそび、風を読み、渾身の白炭を手に入れる喜びは至上の満足感を与えてくれます。

私も最近は炭焼きから遠ざかりましたが、この季節、冬になると、なぜか体がむずむずして炭焼きの衝動にかられます。

 

伊豆の加納に白炭(伊豆炭)の炭窯をつくる 4回シリーズ 終わり