弓ヶ浜の漁師さんの誕生パーティーで知り合った櫻井航(さくらいこう)さんのギター&ウクレレ工房を見学してきました。
場所は南伊豆の走雲峡の手前の山里村落(加納)にあります。
櫻井さんのオーダーメイドギター職人としての略歴はかなりすごい・・・
16歳にてESPギタークラフトアカデミー名古屋校へ入学、エレクトリック、フルアコースティックギターを製作、19歳にて単身渡英。Pete Townshend, Dave Davies, David Bowie,Rory Gallagher, Paul Weller,Peter Hookら著名ミュージシャンを顧客に持つギター製作家Chris Eccleshall(クリス・エクレシャル)氏へ師事、帰国後、大手ギター工場へ勤務するも大量生産の現場を目にし退社、2007年静岡県南伊豆町にギター工房を設立、2010年TOKYOハンドクラフトギターフェス初出展・・・。
聞けば聞くほどギター製作の匠としてすごい略歴を持っているんだけど、外見はひょうひょうとしていて偉そうな感じがぜんぜんない、ギター作りが好きで好きでしょうがない好青年、といった印象でした。
この日も、ギター製作で忙しい中、2時間もかけて私にギターが製作されていく工程を実物やら道具やらを見せながら熱く説明してくれました。
ギターの中身というか構造体って実に複雑で、ものすごく精緻な計算や工作によって仕上がっていくことを教えてくれました。
櫻井さんのギター工房では 年間10本くらいしかオーダーメイドギターを製造できないそうです。この精緻な製造工程を知れば当然のような気がします。私には気が遠くなるような細かい緻密な作業の連続 でした。
櫻井航さんのオーダーメイドギターが1本50万円以上する理由がよ~く理解できました。
櫻井さんは、オーダーメイドのウクレレも製造しています。
ちょうどこの日、1本のウクレレが出来上がっていましたので製造方法や工程も教えてもらいました。
ウクレレはギターと構造がちょっと違います(櫻井さんはぜんぜん違います、と言っていましたが)。
ま ず、弦がウクレレはナイロン線、ギターは鉄線で、ヘッド~ボディーにかかる張力の大小が違い、よって構造&仕組みも違うとのことです。
確 かに、ウクレレの方が簡素な仕組みで、弦張力によるネックの反りをなくすためにネックに埋め込まれ金属芯もないし、ボディーの表、裏、側板の厚みもギター に比べて薄いものでした。
他にもギターとウクレレの違いを説明してくれましたが、ここでは書ききれないので、どうか直接ご本人にお会いして聞いてみて下さい。ギター好き、ウクレレ好きにはうれしいお話を聞かせてくれます。
さて、この櫻井航さんのオーダーメイドウクレレ、15万円だそうです。
” Voyager Guitars UKC-K ” 、表板、裏板、側板がハワイアンコア(ハワイにしかない木でウクレレでは最高級材質)、ネックがホンジュラスマホガニー、指板エボニー黒檀、ちょっと小さめのコンサートサイズ、、、。
見る人が見ればお買い得なお値段だそうです。私もたまにウクレレをネットサーフィンしますが有名ブランドのハワイアンコアのオーダーメイドなら数十万円の値段がついています。
私のような入門者が買うべきシロモノではありませんが、実際に抱えて弾いてみると・・・ほ、ほ、欲しい、死ぬほど欲しい!
櫻井航さん(地元ではこうさんと呼ばれています)はギター演奏者としても相当の腕前です。
地元漁師の宴会ではど演歌を盛り上げるためにメロディーや伴奏してくれます。製造だけでなくギターやウク レレ演奏を心から楽しむ音楽人です。
だから、職人さんにありがちなプライドの高さ(上から目線)なんてまったく感じません、何でも教えてくれる優しいお兄ちゃんです。
オーダーメイドギターやオーダーメイドウクレレに興味ある方はどうぞ南伊豆のギター工房『ヴォイジャーギターズ』を訪ねてみて下さい。櫻井さんが優しく丁寧にその世界を案内してくれます。
私の次のウクレレは決まりました、イズラエルの ♪ over the rainbou ♪ をかっこよく弾けるようになったら・・・
なにとぞうちの嫁さん、お許しを~。
櫻井航さんのホームページ:http://voyagerguitars.tumblr.com/
ギター工房のFBページ:http://www.facebook.com/VoyagerGuitars